京都市交響楽団 第549回定期演奏会(指揮:広上淳一)

振り返ってみるとやっぱり常任回というのを改めて実感した今日の京響定期でした。プレトークでは京響ブランドの赤いTシャツで登場した広上さんは新井さんも一緒に連れてくるのが最近すっかりデフォになってきたように思います。意図はなんとなく察しがつくのですが、ステージでマイク持って話す新井さんって東北人に近い朴訥とした喋り方なので、なんか広上さんが無理に引きずり出してるように見えて仕方がないというかwww ちなみに、後半メインの『ドン・キホーテ』をCD化するそうで、ステージ上には録音用のマイクが開演前から既に設置されていました。

 

京都市交響楽団 第549回定期演奏会
2011年8月5日(金)19時開演@京都コンサートホール
◆A.ドヴォルザーク 序曲「謝肉祭」op.92
◆O.レスピーギ 交響詩「ローマの祭」
(休憩)
◆R.シュトラウス 交響詩「ドン・キホーテ」op.35
指揮:広上淳一
チェロ:上村昇
ヴィオラ:店村眞積
コンサートマスター:渡邊 穣

 

1曲目のドヴォルザークの『謝肉祭』は管の首席陣がほとんど降り番だったにもかかわらずキッチリまとめてきた好演奏でした。金管がややアメリカンな音色に聴こえたのが広上さんらしいとも取れます。
そして2曲目の『ローマの祭』、実は今回これがもっともクセモノというか、いろいろと良い意味で予想外の演奏でした。まずは全体的にテンポが遅め。広上さんにしては珍しいでしょうか。こんなことなら時間見ておけばよかった・・・私が知ってる中ではフェルツ盤(NMLでは右記のページで聴けます→http://ml.naxos.jp/album/DGCD21022)が29分48秒で最も遅い方だと思うのですが、トータルの時間だけを比較するとこれに近いくらいの遅さだったでしょうか。強いて言うなら広上さんの方がチルチェンセスで遅く五十年祭では速いという感じでしょうか。ただフェルツ盤が色々と弄っているというかかなり個性的なのに対して、広上さんは遅めのテンポをとりながらメリハリを上手くつけて丁寧で色彩感豊かな音楽作りをしていて、高揚感を保ちつつもそのパッションの凝縮やコントロールにまで目が行き届いている印象でした。“祭”といえば“ハレ”の場であり、少なからず“狂”の一面を含む状況が多々起きたりするものですが、エクスタシーを早急に追い求めることをせず、音楽をじっくり作っていくことに徹したおかげで、オーソドックスながらも“狂”を含んだ“ハレ”を上手く表現できていたように思います。
京響のトランペット陣、センチュリーからの移籍組らしい新加入の稲垣さん含めて正団員4人+バンダ3人が全員で初っ端からビシィーッと決めてくれたりしてブラスセクションが奮闘していたこともあって、遅めのテンポながらも凄く引き締まった印象を聴き手に与えることができたのではないでしょうか。前半からこれでええんか?と心配するほど充実した完成度の高い熱演に、客席もあちこちからブラボーの声が飛び交ったり熱い拍手が送られたりで凄く盛り上がっていました。それと、今回はマンドリン奏者が出番の直前にこっそり出てきてチューバの横で立って演奏して出番が終わったらまたこっそり退場、という凝った趣向がありましたけど、私は初めて見ました。でもこういう演出もマンドリン奏者が流しのミュージシャンみたいな雰囲気が出ていて、これはこれでなかなか上手いなぁと感じました。
後半メインの『ドン・キホーテ」』、CD化予定はこの曲のみ。ソリストの上村さんと店村さんは御二方ともとても良かったし、オケもみんな素晴らしかったし、以前大友さんが定期で採り上げた時より完成度は間違いなく高いと思うし・・・もうちょっと艶っぽい響きしてたら尚よかったかな、いうくらいなんですが・・・う~ん、でも何でだろう、微妙に“コレジャナイ”感が・・・ただ私自身リヒャルト・シュトラウスは好んで聴く方じゃないですし、自分の座席位置では響き方のバランスが悪いので思い過ごしかもしれませんが、ただ、このレベルの演奏で『ツァラ』か『英雄の生涯』をやってたら、果たしてどうだったかな?という気がしなくもなかったです。それと『ドン・キホーテ』と広上さんの個性が微妙にミスマッチを起こしていたとか?彼の指揮は個性がどこか尖っている一面があると私は見ていますので(昔ネット中にかで広上さんのことをショルティみたいだといってたのを見かけたことがあるのですが・・・)、そうなると同じ作曲家の作品でも合う合わへんがわりとハッキリ出てしまいがちなところがあるのかもしれません。演奏自体は録音で聴いても十二分に耐えうるレベルにあったので、リリースされたらまた改めて聴いてみようと考えていますが、CDはできれば『ローマの祭』とカップリングで出してほしいですね。観客席のウケも明らかに『ローマの祭』の方がよかったですし、京響の良さを売り込むという観点で見ても万人受けしそうな演奏がいいですしね。